陸山会事件公判傍聴記


       第4回 2011年2月25日 なぜ、池田元秘書は調書にサインしてしまったのか

第4回公判は検察側による石川知裕議員への反対尋問と、池田光智元秘書への弁護側の尋問が行われた。
10時開廷。石川氏に対する検察側の反対尋問からはじまる。昨日の石川氏はかなり緊張した様子で、質問と答えが合っていないこともあったが、今日はしっかりと声が出ている。2日目で法廷の証言に慣れてきたのかもしれない。以下、午前中に行われた石川氏への反対尋問の主なやりとり。
(──は検事、「 」内は石川氏の発言)

※以下の概要は傍聴人のメモから主要部分のみを抜粋して再構成したものです。

■調書の任意性について

昨日から引き続き、争点となっている調書の任意性について検察側が質問を重ねる。まず、石川氏がサインした調書の中で、赤字で石川氏自身が訂正した調書が証拠として提示される。

── 調書について訂正申し立てをしたことがありましたね。(調書を指しながら)この下に手書き部分がありますが、あなたの字ですか?

「私の字です」

── これはあなたが訂正したものですか?

「検事さんは、私の意見が通って調書が訂正されていることを示したいのだと思いますが、これは(取り調べ時に検事が)『さすがにこれは無理か』と言われて訂正したものですので、たしかに私が訂正したものですが、そういう経緯だけはご説明させてください」と強く語る。

石川氏の発言にあるように、検事は「赤字の訂正=石川氏の意向は調書に正しく反映されている」と示したいようだが、検事の攻めはあまりうまくいっていない。

■2004年10月の土地取引に至るまでの経緯

問題となっている2004年10月の土地取引の経緯について、検事から繰り返し質問がくる。石川氏は質問に対して慎重に答える。途中、回答が長くなりがちな石川氏に、検事が具体的な事実についてできるだけ「はい」か「いいえ」で答えるよう求めるが、思わず「そうやって検事に言われて、調書取られましたので」と弁明する石川氏。法廷に少しだけ笑いがおこる。

以下、石川氏の主張。

(4億の資金を複数回に分けて入金したことについて)

「一度に4億円を入金すると、当時問題となっていたマネーロンダリングを疑われて、いろいろ聞かれたらわずらわしいと思った。5000万円程度なら、片手にカバンを持っても1回で運べると思って、分散して(複数回にわけて)入金した」

(本登記を翌年の1月4日にするよう不動産会社に言ったのは誰か)

「不動産会社とのやりとりは大久保さんが行っていたので、私が大久保さんに頼んで、不動産会社に打診してもらった」

(本登記を遅らせた理由である2005年の民主党代表選について)

「2004年10月当時、郵政解散があって自民党が勝てば、当時の岡田代表が辞任して、臨時の代表選が行われる可能性があった。次の定期の代表選は2006年10月だったが、岡田さんの前に代表をしていた鳩山さんも菅さんも途中で辞任していたこともあり、臨時の代表選もありうると思った」


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