脱原発を唱える東京新聞は、経団連の圧力で大手の広告が一切掲載中止になっています |
新聞週間に寄せて 当たり前の新聞目指す 東京論説主幹 清水美和 |
「新聞週間」が十五日から始まります。 情報がはんらんする一方、世界の行き先は見通しにくくなるばかりです。 政府も情報統制を強めようとしています。 自由で独立し信頼の足る言論の存在は、ますます重要です。 私たちは何物にも気がねせず報道し、自分の頭で考え発言する本来の新聞を目指します。 「新聞は真実を報じているか」「偏った見方を伝えているのでは」。 読者の疑問は強まっているように感じます。 それは一部新聞に、特定の政党政派にくみしたり、官僚、業界の代弁をしたりする傾向が見られるからではないでしょうか。 私たちは与党にも野党にも気をつかわず、官僚や業界に取り入ることもありません。 誰の主張であろうと、多くの国民の利益にかなうと思えば支持し、背くものであれば反対します。 政府への提言も大切ですが、鋭い直感を持ち味にしたい。 判断の基準は庶民の常識です。 大衆追随と批判を浴びそうですが、庶民は正確な情報さえあれば賢い判断を下します。 世間で広く認められる見方に知恵が込められています。 地震大国日本で、大きな事故が起収拾できず、処理できない放射性廃棄物をため込む原発と共存できるでしょうか。 力にものをいわせる風潮が広がるアジアで米国とのきずなは大切ですが、沖縄の人々が集中する米軍基地に反感を募らせていては、日米関係は安定しません。 膨大な借金を抱える日本は将来の増税もやむを得ないでしょう。 しかし、国会や霞が関が無駄を削らず国民にばかり負担を押しつけるのは許せません。 これらは難しい理屈ではなく、庶民として当然の判断です。 社会は複雑化し、記者が専門知識を磨くことも大切です。 しかし、官僚や専門家に取り込まれ、彼らの価値観で発言するようになっては頼りになりません。 地方重視は本紙の原点です。 地方の現実に分け入ることで、東京ではわからない発想を得ることができます。 事件の現場に行き新しい発見をすることは記者の出発点でした。 読者からのお叱りやご意見は論説を考える貴重な糧です。 起伏の多い道を歩みながら書き続ける私たちにご支援をお願いします。 東京新聞 2011年10月14日 |
TPPルール主張困難 米「参加承認に半年」 政府内部文書 |
環太平洋連携協定(TPP)交渉について、米通商代表部(USTR)の高官が、日本の参加を認めるには米政府・議会の非公式な事前協議が必要で、参加決定に時間がかかるため「受け入れが困難になりつつある」との認識を示していたことが、日本政府の内部文書で分かった。正式協議を合わせると米議会の参加承認を得るのには半年間程度が必要な見込みで、早期参加表明しても来夏にまとまる予定のルール策定作業に実質的に加われない可能性も出てきた。 日本に有利な条件を得るため早い参加が必要、というTPP推進派の主張の前提条件が崩れかねない状況だ。 野田佳彦首相は、今月十二、十三日にハワイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で参加表明を行いたい意向とみられ、民主党内で調整中。表明すれば、これが最速となる。 日本政府は、米国の承認手続きに関連し、米議会の了承には最低九十日間の協議期間が必要としていたが、事前協議には触れていなかった。日本政府関係者によると、この期間は三カ月間程度という。 内部文書によるとUSTR高官や米議会関係者は、事前協議は「米政府と議会が時間をかけ非公式な協議を行う」とし、日本政府のTPPへの姿勢を歓迎できる見通しがついて「初めて九十日の期間に入る」と説明している。日本を受け入れるため、現在、米国やチリ、豪州など九カ国で進行中のTPP交渉を遅らせることは望ましくなく「既に参加期限は過ぎた」と明確に述べている米議会関係者もいる。 TPP参加を後押しする経済産業省などはこれまで「早期に参加して有利な条件を獲得すべきだ」と主張。しかし、APECで参加を表明しても、交渉参加できるのは早くて来年の夏前。九カ国は来夏までの合意を目指している。日本が加わった段階ではルールの細部まで議論が終了している可能性が大きい。 内部文書は、日本の外務省などの職員がTPPの交渉に集まった米国などの担当者に、日本参加の期限などについて質問し、まとめた。 東京新聞 2011年11月2日 朝刊 http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2011110202000203.html |
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