日本原子力研究開発機構ついての報道


  「読売新聞」、「共同通信」、「時事通信」では「原子力機構の談合」についての記事は見当たりません  2015年12月18日午後12時現在

  原子力機構「談合」指摘の報告書公開、急きょ中止に

ニュース23では、16日夜、原子力機構の競争入札について「談合とも言える状況」と指摘した、自民党プロジェクトチームの報告書についてお伝えしました。報告書をまとめた議員らは17日、内容を公表する記者会見を予定していましたが、党上層部からの指示で急きょ中止されたことがわかりました。

 17日夕方、自民党本部で予定されていたのは、「行政事業レビュープロジェクトチーム」の議員による記者会見です。行政レビューPTでは、原子力機構の競争入札に関し、業者が知りえない予定価格と同額の落札が、5年間で189件あったことなどを分析し、「談合とも言える状況」などと指摘する報告書をまとめていました。

 この報告書を17日の会見で発表する予定でしたが、直前になって急きょ中止となり、その理由について、行政レビューPTの座長・平衆院議員は、「自民党の行革本部長から中止の指示があった」とのコメントを発表しました。

 これについて、PTの上部組織である自民党行革本部の桜田本部長側は、「行革本部役員会の手続きが済んでいないため」などと説明しています。一方で、党内の一部からは、「この時期にそんな報告書が出たら、原子力機構の予算編成に支障をきたす」と懸念する声も上がっているということで、背景には、巨額の予算を抱える原子力機構をめぐって、なんらかの利害対立がある可能性も垣間見えます。

 行政レビューPTの議員らは、当初18日、文科大臣と行革大臣へ申し入れを行い、公正取引委員会に通報する予定でしたが、それも中止に追い込まれたということです。

TBS 2015年12月17日 21:08
  
   原子力機構の発注、関係企業の落札率99%自民調査

高速増殖原型炉「もんじゅ」を運営する日本原子力研究開発機構(茨城県東海村)が2011年4月から15年9月に発注した業務で、関連企業・団体だけが入札に応じた全719件の平均落札率が99・07%だったことがわかった。自民党行政改革推進本部のプロジェクトチーム(PT)が調査したもので、同機構は業務の改善を迫られそうだ。

 PTはこうした実態について「競争入札が形骸化しているばかりでなく、官製入札談合ともいうべき状況だ」(事務局次長の秋本真利衆院議員)と問題視。公正取引委員会に通報したほか、政府に改善を求める意向だ。

 PTは文部科学省を通じ、719件(総額485億円)の業務の名称、入札に応じた者、落札者、予定価格に対する落札額の割合を示す落札率などを調べた。うち189件は、予定価格と落札価格が一致する落札率100%だった。落札率が95%以上は「談合の疑いがきわめて強い」(全国市民オンブズマン連絡会議)とされ、他の業界と比べて際立つ高さだという。

 さらに719件中714件は、入札に応じた業者が2社だけというケースだった。

朝日新聞
関根慎一 2015年12月18日10時01分

   原子力機構業務ほぼ独占 関連企業の落札率99%超

 日本原子力研究開発機構(茨城県東海村)のファミリー企業・団体への不透明な発注問題で、一般競争入札でファミリー企業が獲得した業務の予定価格に占める落札額の割合(落札率)が、過去五年間の平均で99%を超えていたことが、機構や関係者への取材で分かった。ファミリー企業だけで競争した場合には100%のケースも多数あり、異常な状態になっている。 

 通常、一般競争入札をすると、落札率はばらつきがあるものの、予定価格の80%前後で落ち着くケースが多い。90%超ばかりとなれば、予定価格が漏れていたり、談合があったりする可能性が指摘される。

 しかし、機構の公表データや関係者によると、ファミリー企業だけが参加した競争入札は、保守・管理や技術開発など各年度に百件前後あり、ほぼ全てが二社だけの争いになっている。落札率も100%近くだったという。

 ファミリー企業の担当者は「同じ業務は同じ仕様で発注されることが多く、前年度の契約額と同額を入れれば、たいていの場合は獲得できる」と話す。他社が受注し続けてきた業務を獲得しようと挑戦することもあるが、「初めての業務は分からない部分も多く、前年度と同額で競り落としても採算を取るのは難しい。少し額を多くし、『落とせれば幸運』と考える。現状を守れればいい」(別企業の担当者)という。

 各担当者の話に共通するのは、ファミリー企業以外からの新規参入はほとんどないのが実情のため、価格競争をする必要性を感じていない点だ。その分、税金で賄われている機構予算を節減する機会が失われたともいえる。

 ファミリー企業をめぐっては、互いに株式を持ち合ったり、中心的な企業が何社もの株式を保有したりして、いくつかのグループができている。ファミリー企業だけの競争入札の中には、グループ内の企業だけが入札し、名実ともに競争がなかった事例も少なからずあるという。

 こうした現状について、機構の担当者は「次年度の入札に影響するので落札率は公表していない。ただ、落札率が100%近くになるケースがあるのは、公表している契約額を見て各社が予定価格を類推していることが考えられる。適正な競争が行われるよう、さらに改善に向けて努力していく」とコメントした。

 機構を所管する文部科学省原子力課の担当者は「落札率の状況は承知しているが、予定価格が推測される恐れがあり、コメントはできない」と話した。 

東京新聞 
小倉貞俊 2015年12月18日 07時00分

   「予定価格」とピタリ、原子力機構に“談合” 自民PTが指摘

文科省所管の独立行政法人、「原子力機構」による競争入札が「官製談合とも言える状況」だと指摘する報告書を、自民党のプロジェクトチームがまとめたことが分かりました。知りえないはずの予定価格とぴったり同額で落札された案件が189件に上るということです。

 文科省の所管のもと、高速増殖炉「もんじゅ」の関連事業などを担う「原子力機構」。核関連機器の運用から警備や清掃まで、様々な業務を競争入札で発注しています。機構側が設定する発注価格の上限、「予定価格」は業者側は知らない前提ですが・・・

 「予定価格が漏れていたのではないかという疑いを強く持たざるを得ない」(自民党 行政事業レビューPT事務局 秋本真利 衆院議員)

 自民党のプロジェクトチームがまとめた報告書によれば、原子力機構の役員などが再就職しているなどの「関係会社」が5年間で719件を落札。その26%にあたる189件が、業者が知りえないはずの予定価格とぴったり同額でした。

 予定価格とほぼ同額、99%以上の価格で落札された案件が実に7割に上り、報告書は「官製談合とも言える状況」と指摘しています。

 「億単位、数千万単位の契約が千円単位、百円単位までぴったり」(自民党 行政事業レビューPT事務局 秋本真利 衆院議員)

 最も高い予定価格を当てたのは、廃炉研究の関連業務を5億3713万8000円で落札した福井県の関係会社でした。

 「予定価格の100%、99%になるのは談合がある一つの証拠。機構の天下り先がこれだけ予定価格近辺で落札しているのは道路公団(談合事件)の構図と全く同じですから」(元公正取引委員会 鈴木 満 弁護士)

 取材に対し、原子力機構は「予定価格については機密性を保持している」「外部有識者の点検も受けており、官製談合との指摘を受けるような事実はない」としています。

TBS 2015年12月16日23:21



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